PICK UP ACTRESS 山口まゆ
PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志
「リバース」で先生に好意を持つ生徒役
ズバッと話す台詞と笑顔で印象を残す
――「リバース」で演じている藤崎莉子は、まゆさんには珍しく(笑)、普通の明るい女の子ですかね?
「普通の女子高生ですけど、『浅見先生を守りたい』という想いが強くて、周りとちょっと違ったものを出すようにするのが難しいです。台本や演出もそういうふうになってますけど、自分なりに『もっとこうしたらいいかな』というのを研究しながらやってます」。
――さすが演技派ですね。1話では莉子はドッジボールをしてたり、笑顔が多くて……。学校でのまゆさんはあんな感じ?
「ドッジボールはしませんけど、友だちとキャッキャ騒ぐのが好きで、あんな感じです。休み時間には趣味や食べ物の話をして、『今度あのお店に行こう』とか言ってます」。
――番組公式HPでは莉子は“浅見に好意を抱いている”という設定になってますが、どれぐらいの好意なんですかね?
「あくまで先生ですし、『彼氏にしたい』とかではなくて、先生の悲しんでいる姿を見たくない、守りたい……ということだと思います。でも、憧れは少しあるような? 単純に言えば、浅見先生はカッコイイじゃないですか。女子高生が普通にカッコイイ人を好きになる感じもあると思います」。
――女の子は一度は先生に憧れるもの?
「あると思います。私はなかったですけど(笑)、高校で『あの先生、カッコイイ』と言ってたり、バレンタインにチョコをあげてる友だちはいるので」。
――莉子の場合、さっき出た「守りたい」というのは、年下ながら母性本能もあるんですかね?
「それもあると思います。いろいろな感情が入っていて、『守ってあげたい』という想いが先生に届いてほしいし、生徒のなかでも“藤崎”が先生の頭のどこかにあってほしいと願っていて……。それぐらい印象が残るように演じないといけないとも思っています」。
――「周りとちょっと違ったもの」は、サッカー部員の飲酒騒動のとき、他の生徒が「いいじゃん」って雰囲気だったなかで、キャプテンに「一度ウソをつくとずっとウソをつかなきゃいけないんだよ」と訴えていたところとか?
「その『一度ウソをつくと』は先生が言っていた言葉で、莉子自身にも当てはまるところがあって『言わなきゃいけない』と思ったんでしょうね。私だったら、あそこで1人でワーッとは言えないです。他の生徒のなかで黙っていたかもしれません」。
――でも、莉子としてはキッパリと。
「『リバース』の物語のなかで“ウソ”はテーマにもなっていて、先生の過去と学校での問題が繋がってくるところもあるので大事な場面だから、自分の言葉にしなきゃいけない。莉子が普通に言うようにズバッと。そこは監督ともお話して『はっきり伝えなきゃいけないところだから、雰囲気に負けないで言ってください』ということでした」。
――莉子は“おとなしそうに見えるが、芯の強い一面を持っている”という役柄ですよね。
「かなり芯は強いと思いますけど、そこはこの先、出てくると思います。いろいろトラブルがあるなかで」。
――湊かなえさんの作品には、これまでも触れたことはあったんですか?
「はい。大好きで、ドラマも映画もよく観ていました。『Nのために』も『夜行観覧車』も『告白』も。本も読んでます」。
――引き付けられるミステリーですよね。
「小説で『白ゆき姫殺人事件』を読んでいても、最後まで犯人はわからなくて面白かったです。『映像化されたら、どうなるんだろう?』というのも気になります。先輩の戸田恵梨香さんが出ていた『リバース』の試写イベントを見学させてもらったとき、湊かなえさんも出席されていて、ちょっとお会いすることができて……。普通のファンみたいにサインをいただいて、今、私の携帯のロック画面にさせてもらってます(笑)」。
映画でも頑張りたいので休みの日に
4本続けて観て頭がパンクしました
――学校での高2生活は順調にスタートしました?
「クラス替えをして、友だちができてないんです(笑)。『まだ始まったばかりだから』と自分に言い聞かせてますけど、なかなか打ち解けられません。話し掛けられるのを待っちゃうタイプで、どうにもこうにも自分から行けない(笑)。5月に体育祭があるので、そのときに仲良くなれたらいいのかな?」。
――周りもまゆさんのオーラに近づきにくいのかも。
「いや、私は学校では本当に普通の子なので。全然目立つこともなくて……」。
――新学期ということで、持ち物を買い替えたりもしたんですか?
「新学期ではないですが、新年に部屋の模様替えをしました。いろいろ買って、自分なりにお部屋をちょっとかわいくしようと。冬休みに映画をたくさん観て、オードリー・ヘップバーンが好きになって、カレンダーをオードリーにしたり。額縁も四つ飾って、全部オードリーの写真を入れてます(笑)」。
――どうしてオードリーの映画を観ようと思ったんですか?
「冬休みに空いてる時間があったから、映画でも観ようかと思ったんです。みんながオードリーの作品を『いいよ』と言っていたし、観たことがなかったから、名作と言われる『ティファニーで朝食を』や『ローマの休日』を観たら、ハマっちゃいました」。
――時代を越えて、16歳のまゆさんが見ても魅力的でした?
「本当に魅力的でした。大人に見えるときもあれば、キャピキャピしているときもあって、ギャップがすごくかわいいと思います。映画を観ていても、ずっとオードリーを見つめていたくなって、字幕を読んでるヒマがなくて……。途中で内容が入ってこなくなっちゃうくらい、魅力を感じました」。
――作品でいうと、どれが特に好きですか?
「『ティファニーで朝食を』です。ファッションも素敵だし、すごくスタイルが良くて『バービー人形みたいだな』と思って憧れます」。
――女優として目指したい存在?
「まあ、かなりのハードルがありますけど(笑)、“なりたい女性像”みたいな感じですかね。あんなふうに素敵になりたい……という」。
――「ローマの休日」みたいに髪をバッサリ切りたい、とかは?
「そこまではないです(笑)。私は小さい頃からバレエをやっていて、前髪はずっとないですし、お団子ができる長さであまり変えてません。小学校でも常にオールアップ。親は『もう少しかわいい髪形にすればいいのに』と思っていたらしいですけど、前髪を作るのはイヤで全部パッと上げて、ハゲちゃうくらいキツくグッと止めてました(笑)」。
――ピアノも小さい頃からやっていたそうですが、今でも弾くんですか?
「家に電子ピアノがあって、たまに気が向いたら触ります。弾くとちょっとハマって、1週間ぐらいずーっと弾いて、また弾かなくなって……みたいに、気まぐれでやってます」。
――聴く音楽もクラシックが多いんですか?
「そうでもないです。クラシックは好きですけど、すごく詳しいわけでもなくて。一時期は洋楽にハマって、それから日本の音楽のほうに入ってきて、東京事変さんや椎名林檎さんを好きになりました。今はまた洋楽に戻りつつあったり、ワタワタといろいろなジャンルを聴いてます」。
――中学生ごろに椎名林檎さんの女の情念系の曲を聴いていて?
「そうですね。何かちょっと変わった曲や『あれ?』ってなる部分がある曲を聴いてました」。
――それから、映画「くちびるに歌を」の女子合唱部員で結成したLips!のメンバーと今も仲良いそうですが、その1人の葵わかなさんが次の朝ドラ「わろてんか」のヒロインに選ばれました。刺激を受けました?
「もう刺激しかないです。発表された2日後にLips!みんなでディズニーランドに行く約束をしていたから、ビックリしました。『どうしよう?』と言いながら、そのディズニーランドで『最後の晩餐だね』って遊んだんですけど、5月にも会う予定があります(笑)。『朝ドラの撮影で大阪に行っちゃう前に会おう』ということになって……」。
――今の朝ドラ「ひよっこ」は先輩の有村架純さんがヒロインですね。
「毎日欠かさず観てます。学校に行くギリギリで最後の5分が観られないので、朝10分観て、家に帰ってから最後の5分を観ます(笑)」。
――帰ってから15分まとめて観たほうが良くないですか(笑)?
「確かに10分だけ観ると、よくモヤモヤしますけど(笑)、朝観ると元気になるので、主題歌の『若い広場』を聴いて学校に行きます」。
――自分が朝ドラのヒロインを目指す気持ちはあります?
「夢ですねー。あと今、映画を頑張りたいとも思っています。最近は1日4本とか観て、頭がパンクしそうになりました(笑)」。
――どんなラインナップを観るんですか?
「刺激的な洋画をいろいろと。『リリーのすべて』を観て、『ブラック・スワン』を観て、『ヘアスプレー』を観て、『レオン』を観て。ジャンルはバラバラです」。
――確かに、続けて観るにはヘビーな並びで(笑)。
「春休みは時間があったので、『ゴシップガール』をずーっと観てました。まだシーズン2までですけど。留学に憧れもあるんです。『普段から英語に触れていたら、どうなるのかな?』とも思って。あまり英語力が上がった気はしませんけど(笑)、普通に楽しく観ながら字幕を読んでいて、それも勉強になっているのかな?」。
――映画もいいですけど、他に休みにしたいことはないですか?
「おいしいものを食べたいですね。友だちと『あそこに行きたい』という話ばかりしていて、カフェをいろいろ巡るのも好きです。カメラもすごく好きなので、カメラを持って友だちとオシャレなカフェに行ったりします」。
――ごはんというより、カフェなんですね。
「ガッツリ食べたいときは、焼肉に行ったりもしますよ。みんなでお鍋をつつきながらワイワイしたり……」。
――ちょっと女子高生っぽくはないかも(笑)。
「そうですね(笑)。仕事の友だちとは『夜ごはんを一緒に食べよう』って、会って話したりします。そういうのが息抜きになってます」。
山口まゆ(やまぐち・まゆ)
生年月日:2000年11月20日(16歳)
出身地:東京都
血液型:A型
【CHECK IT】
小学4年生から子役として活動。2014年に「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)でドラマデビュー。これまでの主な出演作はドラマ「アイムホーム」(テレビ朝日系)、「ナポレオンの村」(TBS系)、「コウノドリ」(TBS系)、映画「くちびるに歌を」、「相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」など。ドラマ「リバース」(TBS系/金曜22:00~)に藤崎莉子役で出演中。ACジャパン「交通遺児育英会」支援キャンペーン「笑顔に変わる時」篇、パナソニック「日本のコミュニケーションは進化する/多言語翻訳ソリューション」篇のCMがオンエア中。
詳しい情報は公式HPへ
金曜ドラマ「リバース」
詳しい情報は公式HPへ