PICK UP IDOL アップアップガールズ(仮)
PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=田中裕幸
テーマは”Change & Evolution”
ライブでも新曲でもさまざまな変化と進化を見せる
――昨年11月に念願だった日本武道館単独公演が実現。それを経て、さらにパワーアップしたアップアップガールズ（仮）のツアーが先月始まりました。観るのは武道館以来というファンも多かったと思いますが、反応はどうでしたか？
関根梓「今回はセットリストを考える時点から、それぞれ『あれやりたい、これやりたい』という希望を出して結構叶えてもらったんです。でもリハーサルで通してやってみては悩んで変えて、また通してやってやっぱりこれがいいという形で、相談の繰り返しでした。どうやったらファンのみなさんは楽しんでくれるかなということをずっと想像して……。結果『今回のセットリストは最高』って言ってくれた方が多くて嬉しかったです。『終盤になるにつれてどんどん楽しくなっていく』と」。
古川小夏「曲順の前に、今回“Change & Evolution”というライブタイトルになっているのですが、まず自分たちがどんなことで“変化”したいか、“進化”したいかということを挙げていきました。こういうふうなライブをしてみたいということをたくさん言って……。それを元にスタッフさんがセットリストを組んでくださって、やりとりを繰り返して、現在のセットリストに落ち着きました」。
――今回はアンコールの最後の2曲をお客さんからのリクエストで歌うという画期的な試みもあります。
森咲樹「それは私と綾乃でやりたいと希望しました。SPYAIRさんのライブを観た時に、じゃんけんでやる曲を決めていたんですよ。そういうアドリブっぽいものもおもしろそうだよねと。じゃんけんじゃないけど、お客さんからのガチなリクエストということで……」。
佐藤綾乃「私はWANIMAさんのライブを観に行った時、すごい大きな会場だったのに、多くのお客さんとコミュニケーションをとって、自分たちのライブを完成させるのがすごくかっこいいと思いました。でもそれはバンドならではで、オケのライブでそういうことができるのかなって思って逃げてたところもあったんですけど、今回は“変化と進化”というコンセプトなので、挑戦してみようということになりました」。
――古川さんが振り付けた楽曲も多かったんですよね？
古川「はい。今後振付も一つのお仕事にしていけたらいいなと思っています。自分たちの曲だけじゃなく、他のアーティストさんにも振付師として関わらせていただいたり……。それは一つの新しい武器になり、“進化”となるのかなと思います」。
――佐保さんはどんなチャレンジの希望を？
佐保明梨「スローテンポの曲で、ライブであまり歌う機会がない曲を流れに合うアレンジにしてやってみたいなと。今回「Dateline」をロック調にアレンジして歌ったんですけど、スローテンポなんですが、歌詞は前向きで私たちの気持ちに合っていて、あまり歌わないのももったいないなと思っていたんですね。ロック調にしてガラッとイメージが変わって、小夏に振りを付けてもらって、みんなで『オイオイ』と盛り上がれる感じになりました」。
――そんななか新曲「FOREVER YOUNG」がツアー初日に初披露されました。この曲の振付も古川さんが担当したとのことで……。
古川「キラキラした青春感のある曲なので、型にはまった振付ではなく、みんなが楽しく、どんどんいい意味で崩してやってくれているので嬉しいです」。
関根「テーマはなんだっけ？」。
古川「“肩組み”。最初、その一言だけ言われたので、どうしようかと思って（笑）。お客さんも肩を組んで盛り上がれる曲になっていればいいなと思います」。
新井愛瞳「青春感いっぱいです。文化祭で、みんなで作り上げてきたものを披露している感じで、ほんとに青春だなと思います」。
――新井さんは特に“文化祭”“青春”という言葉が似合います。
新井「青春を全部アプガに注ぎ込んできたので、ここで青春を取り戻したい。一気に6年分の青春がここにかかっていますから」。
関根「究極青春ソング、前向きソングです！」。
――一方、ニューシングルのもう一曲の「アッパーディスコ」では……。
関根「初めてディスコサウンドに挑戦しています。ここでもChange & Evolutionの精神で……」。
――かつてのモーニング娘。曲のつんく♂さん & ダンス☆マンコンビの曲っぽいテイストがありますね。
新井「『ハロプロっぽいね』って言われるんですけど、かつてアイドルディスコサウンドと言われた「LOVEマシーン」を超せるように作っていただいているので、私たちももっと大きくなっていこうと。衣装も「LOVEマシーン」を思わせるような、コートを羽織る形になっています」。
――一時期（2013年頃）、雑誌のインタビューなどで「ハロプロに捨てられた……」みたいな見出しをつけられたり、「ハロプロ楽曲のカバーをやってた時期が嫌だった」ということを部分的に強調されたり、反ハロプロみたいな取り上げ方をされる機会も多かったですが、今のハロプロへの思いは？
新井「もちろん私たちはハロー！が嫌いではないし、当時も今も大好きで尊敬しています。今回の曲で『私たちは追い越す勢いで頑張りますよ』という意思表示です」。
古川「あの頃の「LOVEマシーン」をただなぞるということではなく、今のサウンドも入っているし、アプガらしさも入っている。今の時代であそこを目指したいという、そういう気持ちです。ハロー！へのリスペクトも大きく、あの時代のモーニング娘。こそアイドルの頂点だという思いがあるので、そこに正々堂々と挑みたいと思います」。
森「ミュージックビデオは超アイドルらしい感じにあえてしました。アプガらしく温泉で歌って踊る、みたいな」。
――MVでの姿もインパクトありますね。
新井「はい。バスタオル姿で」。
――タオルの下は裸という噂の……!?
新井「裸です！」。
――マジですか？
古川「本当に裸です！」。
――ポロリの心配以外で、撮影の時に大変だったことは？
関根「撮影で使われた温泉施設が今は使われていないところだったので、お湯じゃなくて冷水だったんですよ。氷でも入っているんじゃないかっていうくらい冷たくて！ 湯気はスモークで出していました」。
森「全員バスタオル姿で撮ったけど、セクシーとは程遠くみんなマッチョな感じでした」。
新井「（YouTubeの）サムネイルの森ティーの筋肉はすごかったよね。マッチョすぎて」。
――他のメンバーも負けずに鍛えている感が出ています。
新井「前回のアーティスト写真の黒の衣装の時も露出がすごかったのですが、エロさ（＝セクシーさ）が全然なくて、今回のMVも『サムネに惹かれて来たけどエロさ（＝セクシーさ）がない。でも楽しそうだね』と言われることも多くて。そこがアプガのいいところじゃないかなと思います」。
――そんな中で、仙石さんは“マシュマロボディ”と言われているので、メンバーの中ではセクシーに見えてもおかしくないはずですが、やはりそうは見えない？
仙石みなみ「集団の強さなんですかね。アプガみんなで揃って踊ったりすると、そう見えなくなります。自分たちで見ても、普通だったらドキドキする衣装のはずがそれが全然なくて、女の子らしさがないというか、オトコ……」。
新井「おい！」。
仙石「でもそれは、健康的なアプガにしか出せない色だなと思って。普通のアイドルがやると『わっ』とびっくりするところも、元気に見えるところがアプガらしいなと思って」。
メンバーそれぞれの役割は……
ダンス担当、MC担当にカツ丼担当!?
――ところで仙石さんは以前“リーダー（仮）”と言われていた時期もありましたが、ちなみに今はリーダーは？
仙石「今はリーダー的なポジションはありません」。
新井「一人が仕切るのではなく、ライブだったら、MCを担当する子がいたり、リハーサルを進める子がいたり、ダンスリーダーがいたりなど、それぞれいつの間にか役割ができていて……」。
――新井さんはどんな役割なの？
新井「私はリハを進める役。段取りを決めたり……」。
――それって全体のリーダーっぽい？
新井「全然。メンバーと話し合って、『じゃあこうしよう』と決めたことをPAさんに伝えたりしています」。
――MCリーダーは？
新井「綾乃、せっきー（関根梓）が基本的にしゃべってくれています」。
――関根さんは語りますからね。ときどき語りすぎて、かなり長くなってしまうことも……。
関根「今回のツアーで表現の仕方を変えたいと思って……。自分ではわかりやすく伝えているつもりでも、周りが『……？？？』となることもあって、なんだか、とんちんかんな言葉を選んでいるらしくて。今回のツアーで直せるように頑張ります！」。
――関根さんのライブ中でのメンバーへのスキンシップもさらにエスカレートしているような……。佐藤さんや新井さんに抱きついたり、いちゃいちゃしたり……。
関根「私、絡みたいんです」。
（一同爆笑）
新井「衝撃発言だな」。
関根「いや、そういうことじゃなくて。楽しい曲の時はここぞとばかりに楽しみたいから……」。
――佐保さんはどんな役割？
古川「一番最後の大事な決断のところで、『こっちがいいんじゃない』と選んでくれるのは明梨が多いです」。
――佐保さんといえば、最近はソロでの活動も目立ちますね。
佐保「ソロライブをやらせてもらって、一人でやったからこそ見えたもがあったと思います。“アプガの佐保明梨”とはまた違ったことをやって、どちらの楽しさも自分の中で感じていて、お互いの自分を高め合って……。どっちの佐保明梨もいい感じで切磋琢磨し合いながら、ソロでやったことをアプガでも生かし、アプガで新しいことにチャレンジしたらそれをソロでも生かせたらいいなと思います。改めて歌うことが好きだと思ったので、そこに向き合っていきたいなと思います」。
――森さんの役割は？ そういえば森さん、最近、SNSを見るとカツ丼よく食べているイメージが……。
森「最近はあまり食べてないかな（笑）。最近は自分で料理を作るのに凝っています。材料をいろいろ買ってきて。お母さんにカツ丼の作り方を教わったので、どんどん作ろうかなと。『すき焼きの素を使うとおいしくなる。あれは何にでも使えるから便利だよ』って」。
新井「ママざっくり！（笑）」。
――森さんは“ダンス担当”“MC担当”みたいな、そういう役割は？
新井「いや、カツ丼担当です。食レポもできる子ということで……」。
森「私は今は（仮）のメンバーと、今年結成された妹分のアップアップガールズ（2）のメンバーたちの繋ぎ役のような役割です。もともと私、人を指導するということは苦手だったんですけど、自分を変えなきゃなと思って（2）のメンバーにダンスレッスンしたり、ステージを観てアドバイスしたりとか頑張っています。指導することで、『自分もここを気をつけなければ』『もっとこういうことを心掛けないと』と思ったりして成長させてもらえます。たとえば後輩が体力的にバテて苦しそうにしてたり、だんだん笑顔がなくなってくるのを見たら、それは自分も経験あることなので、『苦しくなったらとにかく笑え』と言っています！」。
――アプガも今年で6周年。最初は何もないところから始まってチャレンジャー的な立場だったのが、活動が長くなり、築き上げてきたものも多くなるなかで、“アプガっぽい”というものも増えてきたように思います。そういうものを壊して進化していこうという思いも？
古川「今回のツアーのセットリストは今やりたいことをやるという形で、私たちの好みのつまったセットリストなんです。そのセットリストを頭からやっていって、どんどんお客さんが楽しんでくれているのを見て、私たちとファンのみなさんで築き上げてきたものは間違いじゃなかったんだなと思いました。それがいい意味での“アプガ感”になってるのかなと思って……。確かに固まってきたイメージを壊していきたいという思いもありますが、私たちが好きなこと、やりたいことをやっていくことで、私たちらしさ、アプガ感は残っていくのかなと思います。打破しようというより、やりたいことをこれを機にもっとやっていこうという感じです」。
――さらなる進化も楽しみにしています。
新井「妹分の（2）という仲間も増えたので、これからさらに大きくなっていけたらいいなって……。ハロー！プロジェクトみたいに。私たちが中心の存在のグループになって、どんどん新しいグループや派生ユニットができていって、それを自分たちが引っ張っていければいいなと思います！」。
アップアップガールズ（仮）（あっぷあっぷがーるず かっこかり）
2011年、ハロプロエッグの研修過程を修了した7人で結成。当初はハロプロ楽曲のカバーを中心に活動していたが、2012年3月、初のオリジナル曲「Going my ↑」をリリース。2014年に中野サンプラザ公演、2015年に日比谷野音公演、2016年にはZeppツアー、そして念願だった日本武道館単独公演を実現させた。2017年には、妹分グループ「アップアップガールズ（2）」（かっこにき）が結成、ニューシングルのMVやライブなどで共演している。※このインタビューの後、仙石みなみ、佐藤綾乃の今秋のグループ卒業が発表された。仙石は女優の道へ、そして佐藤は新たな目標に向け芸能界も卒業する。
【CHECK IT】
5月9日に両A面ニューシングル「アッパーディスコ／FOREVER YOUNG」をリリース。現在、ライブハウスツアー2017『アップアップガールズ（仮）∞ Lives Change & Evolution』を開催中。ツアーのファイナル公演が、7月17日（月・祝）、東京・Zepp Tokyoで開催。
ニューシングル「アッパーディスコ／FOREVER YOUNG」
仙石みなみ（せんごく・みなみ）
生年月日：1991年4月30日（26歳）
出身地：宮城県
血液型：O型
古川小夏（ふるかわ・こなつ）
生年月日：1992年6月5日（24歳）
出身地：神奈川県
血液型：A型
森咲樹（もり・さき）
生年月日：1993年10月12日（23歳）
出身地：静岡県
血液型：O型
佐藤綾乃（さとう・あやの）
生年月日：1995年1月7日（22歳）
出身地：神奈川県
血液型：A型
佐保明梨（さほ・あかり）
生年月日：1995年6月8日（21歳）
出身地：東京都
血液型：AB型
関根梓（せきね・あずさ）
生年月日：1996年6月14日（20歳）
出身地：長野県
血液型：AB型
新井愛瞳（あらい・まなみ）
生年月日：1997年11月19日（19歳）
出身地：群馬県
血液型：B型
