PICK UP IDOL 東京パフォーマンスドール

PICK UP IDOL 東京パフォーマンスドール

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志


 
 

結成3年半の集大成の1stアルバム
先代のリアレンジやライブ曲も初音源化

 
 
――去年TPDで活動するなかで、大笑いしたようなことはありました?

高嶋「日ごろ常に笑っています」。

浜崎「シンガポールでライブをやったとき、控え室で菜七ちゃんが壁をドアだと思って引っ張っていたのを見て笑いました(笑)。ドアの取っ手は完全に別のところにあるのに、壁を引こうとして『開かへん! 開かへん!』と騒いでいて(笑)」。

高嶋「でも、どう見てもドアだったんです」。

浜崎「いや、どう見ても壁だった(笑)」。

高嶋「気づいて『えっと、この壁は……』とかごまかしたんですけど、恥ずかしかった……(笑)」。

上西「私と香帆はリリースイベントでロケバスに置いてかれました」。

浜崎「そうだ」。

上西「帰るとき、2人で『お手洗いに行ってきます』って、いろいろな人に伝えてから行ったんですよ。『だから待っていてね』ということで。なのに、戻ってきたらバスがなくて、見送りの人に聞いたら『行っちゃったよ』『エーーーッ!?』という(笑)」。

浜崎「言ったのに~!」。

上西「メンバーが揃ってないことに気づかず行ってしまったみたいで。『乗ってません!』って電話したら戻ってきてくれたんですけど、私たち存在感が薄いのかな(笑)?」。

高嶋「香帆は前にもあったよね? 新幹線で1人だけ品川に置いていかれたことが」。

浜崎「そう。みんなの朝ごはんを持ってホームで待っていたら、みんなが先に新幹線に乗っちゃって、『あれ? 今、出発したのだった?』って(笑)」。

上西「かわいそう~」。

浜崎「しかも、荷物がめっちゃ重いんですよ! 袋にペットボトル10本くらい入っていて、もうひとつにはサンドイッチとかが入っていて」。

高嶋「で、1人で次の新幹線で来ました」。

浜崎「その荷物を持ったまま、自由席で(笑)」。

――では、泣いたことは?

高嶋「私は2・3年前はずっと泣いてましたけど、最近は涙腺が強くなって。(デビュー公演の)舞台『1×0(ワンバイゼロ)』の頃は毎エピソード、千秋楽を迎えるたびに『なんでそんなに泣くんやろう?』というぐらい泣いていたんです」。

浜崎「確かに」。

高嶋「最近は全然泣きません。あっ! でも、映画を観て泣きましたね。『マイ・ベストフレンド』という洋画で、小さい頃から親友だった2人の女性が主人公でした。何もかも分かち合って生きてきたのに、1人は乳がんになってしまい、1人は不妊治療の末に妊娠。乳がんの女性は最後に亡くなってしまうんですけど、親友の出産に自分の体調も顧みず立ち合ったり、女同士の友情が描かれていて久しぶりに泣きました」。

浜崎「私も映画で泣きました。シンガポールに行く飛行機で『一枚のめぐり逢い』という映画を観ていて。お兄さんを戦場で亡くした女性の元に、兄が持っていたはずの自分の写真を持った男性が探しに来る。その男性が落ち込んでいる女性を支える姿や、1枚の写真からつながる物語にウルッときました」。

高嶋「飛行機の隣りの席で、香帆がクスンクスン泣いていました」。

上西「私が泣いたのは、『エール!』というフランス映画です。主人公の女の子が音楽学校に入ろうと奮闘する話で、彼女が歌っている姿に自然と涙が出ました。その女優さんはオーディションで大人数から選ばれたそうで、外見はそんなに華やかではないんですけど、歌だけで響くものがありました」。

小林「私は映画ではなくて、11月の誕生日に毎年来る母からのメールで泣きました。内容は特別なことではなかったんですけど、『おめでとう。良かったね』みたいな言葉で感動しました」。

――1stアルバム「WE ARE TPD」が発売されますが、結成から3年半で……というのは、長かった感覚ですか?

高嶋「長かったです。他のアーティストさんに聞くと、だいたい1年から2年でアルバムを出すということだったので。でも、その分(5形態で)全50曲でスペシャル感が出ました」。

浜崎「改めて並ぶと『こんなに曲があったんだ』と思います。プラス、まだ入ってない曲もあるんですけど」。

高嶋「放出するので、全部ゲットしてほしいですね(笑)。1曲も飛ばさず聴いてください」。

――初音源化された曲のなかで、それぞれ思い入れが強いものというと?

高嶋「私は『恋しさと せつなさと 心強さと』です。私と浜崎と小林がヴォーカルでダンスチームと分かれているのが魅力のひとつなのと、先輩の篠原涼子さんがWミリオンを記録した曲をカバーさせていただくということで、ありがたくて。リリースイベントで披露すると、今まで観てくださらなかった世代の方も立ち止まって観てくれます。ちょっと明るめにリアレンジされたのも聴きどころだと思います」。

浜崎「私は『RAISE YOUR HANDS』です。『1×0』のときはほとんど『WEEKEND PARADISE』でライブを締めていたのが、『ネイキッド』シリーズが始まってからはこの曲を最後にやるようになって。私たちもファンの皆さんも力を出し尽くしたあと、さらに一体になれる曲で好きです。皆さんが一緒に手を上げてくれたりするので、やっていて楽しくて」。

上西「このアルバムでの新曲『ナガレボシ』を皆さんに聴いていただきたいです。私たちの世代に寄り添うような歌詞になっていて、他の年代の方にも当時のことを思い出していただける気がします。夢はどこまでも追い続けることが大事だと気づかせてくれて」。

――リアルに感じますか?

上西「そうですね。『友達からの写メール 大人になってゆくね』とか」。

高嶋「本当に友だちが大人になっていくから」。

上西「『自分だけの道』を行かなきゃと思ったし、その道が『刻んで行く日々の跡にできていくんだ』というのも、すごくわかります。あと、TPDはアップテンポで攻めの曲調が多いですけど、この曲は結構ゆったり聴けるのもオススメです」。

小林「私は『MY UNIVERSE』です。Zeppツアーで初披露したのが2年前で、やっと音源化されました。デビューから怒涛で駆け抜けてきて、『自分の夢を追いかけたい。もっと強くなっていきたい』という意志の入った歌詞と曲になっています。サビで『聞こえてるかい?』とか問い掛けがあるのも好きです。それまでTPDは9人で歌って踊ってきたのが、初めてヴォーカル4人とダンサー5人に分けた曲でもあって。ダンスもキレキレでカッコイイです」。

――やっぱり夢に向かって戦っていくような曲が多いですよね。「It’s Up To Me」に出てくる「ないものねだり」や「自己嫌悪」を感じるときはあります?

高嶋「あります。自分に足りないものが多すぎて、『まだまだやな』とずっと思っています。ないものねだりで、『身長170㎝くらい欲しかった』とか(笑)。一回なってみたくない?」。

浜崎「なってみたい」。

高嶋「170㎝あってスキニーパンツを履いたら絶対カッコイイな……とか。これもすごく良い曲で、ペンライトを使ってパフォーマンスするんですけど、ファンの皆さんと一緒に大きい会場で白いペンライトを掲げるのがひとつの夢です。きれいな光景を見てみたくて」。

――「PEOPLE」はファンキーなブラスチューンですね。

上西「早口で、最初はもっとカッコつけた感じで歌う曲かと思っていたら、ライブを重ねるごとにお祭りっぽさが出てきて。パーティー感が溢れる曲になりました」。
 
 

ステージには自信を持って立っていて
涙は中野サンプラザに取ってあります

 
 
――一方、ソロ曲は恋愛系が多いですよね。菜七さんの「Darlin’」は「女心は時に雨のち晴れ」と歌っていますが、結局どうしてほしいのか(笑)。

高嶋「この曲の子はややこしいといいますか、ファンの方にも『面倒くさい子だよね』と言われます(笑)。確かに『嫌いって言って』とか『好きって言って』とか、どっちを伝えたいんやろうと。でも女の子って、実際そんな感じなんです」。

――菜七さん自身も?

高嶋「私はそこまで面倒くさくはないと思いますけど(笑)、落ち込んでいるときに『話し掛けられたいんやけど、話し掛けられたくない』みたいなのはあります。そういう感じの歌詞が多くて、『この気持ちわかる』と言ってくれる女の子も多数いて、うれしいです」。

小林「私と橘二葉でバックダンサーをしていて、2人がガツガツ踊る曲でもあって。菜七ちゃんの歌声とダンスがマッチしたら、すごくカッコイイと思います」。

――香帆さんの「ふたりのストーリー」の女の子はいじらしい感じ?

浜崎「歌っていると切なくなります。『忘れさせてほしい』とか」。

上西「香帆が誰かを演じている感じがします」。

高嶋「背景が浮かぶ歌詞なので、香帆が主演のドラマのようですね。この女子はすごくかわいい。『会うたび無口になる訳 怖くて聞けなかったよ』とか『恥ずかしいくらい大好きだったな』とか。キュンキュンきちゃいます」。

浜崎「ピュアな子ですね。私も歌いながら景色が見える感じがします。『目の前にいるのに君からのメッセージ』とか、(ダンスで)思わず携帯を出す振りをしたり」。

――海辺のカフェの行列に彼氏と並んだりするのは、女子的に憧れですか?

浜崎「というか、少女マンガの世界の感じですかね。切なさだけでなく、そういう幸せな思い出も入っているので、変化も出しつつ歌っています」。

――星来さんは脇あかりさんとのデュエット曲「果実」が収録されましたが、この2人だと大人寄りの曲になりますね。

上西「そうですね。2人で恋愛模様を描いた曲を5曲くらい歌ってきての新曲だったので。ストーリーも意外と深いし、大人な感じを出したいと思っています。セクシー路線という感じで好きです」。

――歌詞のストーリーについて考えたりしたんですか?

上西「カフェで2人で話し合いました。演出家さんに『振りでリンゴを持つ』と言われたので、『なんでリンゴなんだろう?』とか、理由付けを考えたり」。

――アダムとイブがモチーフですかね?

上西「発想はそうですけど、そのリンゴはどこに落ちていたのか? どうやって拾ったのか? そういうことも話しました」。

――難しい面もあったと思いますが、腑に落ちました?

上西「腑に落としました(笑)。マイナスな言葉がたくさん入っているので、まあ順調な恋愛ではないですよね。いろいろ障害があって」。

――「愛は心地よい毒みたい」というフレーズもあります。

上西「すごいですよね。そういう2人の関係も考えつつ、この曲を歌っているあかりは本当にカッコイイです。ショートカットで頼れる男性みたいで、目の色を変えて、曲に入った瞬間、全然違う人格になって」。

高嶋「仮歌が来たときは他のメンバーも歌ったんですけど、2人に合っていると思います」。

――晏夕さんの「Swimmy」はお別れの歌。

小林「別れる10秒ぐらい前を歌詞にした感じです。とにかく切なくて。まだ好きだけど、彼の瞳には他の女の子が映っていて……みたいな。もうあの日のようには戻れないから別れる、最終的なところなんですけど」。

――メロディの美しさが、晏夕さんのきれいな声とハマっていると思いました。

小林「ありがとうございます。落ちサビの『もう届かないの』を地声とファルセットを混ぜながら出すんですけど、そこは本当にメロディと自分の声を合わせていけたら、想いが届かない感じがもっと出るかなと思います」。

浜崎「私とあかりがバックで踊ってますけど、『晏夕が18歳に見えないな』と思います。声質も表情も10代じゃないような。晏夕のまた違う一面が見られます」。

小林「私はこんな大人の恋愛は経験したことがないので、自分ではわかりませんけど、歌詞の女の人の気持ちになって歌っていけたら」。

――そして、3月26日には中野サンプラザでのライブも控えています。

小林「サンプラザは一度、対バンで立ったことがあります。そのときは対バンも出始めたばかりで、当時なりの精一杯のパフォーマンスを見せようと思いながら、全然お客さんに伝わってなくて。みんなで反省した思い出があります」。

――今度はパフォーマンスに自信を持って臨めそうですね。

高嶋「3年間やってきたので。自信を持ってステージには立っています。バーンと行きましょう!」。

浜崎「リリースイベントでチケットの手売りもさせていただいていて、『TPDは初めて観たばかりだけど、行ってみる』と、その場で買ってくださる方もいらっしゃって。そういう部分では、今までやってきた成果を実感しています」。

――サンプラザの先に、さらに見据えているものも?

高嶋「この1月から3月までが怒涛の3ヵ月なんです。アルバムリリースに東名阪ツアーもあるので。2017年が明けて、まず目標はその3ヵ月のなかにキッチリ詰まっているから、とりあえず目の前のことを大切にしたいです」。

上西「さっき映画で泣いた話をしましたけど、涙は中野に取ってあります」。
 
 


 
 

 
 

東京パフォーマンスドール(とうきょうぱふぉーまんすどーる)

90年代に活躍した伝説的グループの名前を17年ぶりに継承し、2013年6月に結成。全国8800人からオーディションで選ばれた9人組。演劇と映像、歌とダンスを融合した舞台「PLAY×LIVE『1×0』(プレイライブ『ワンバイゼロ』)」を約1年に渡り、渋谷の劇場「CBGKシブゲキ!!」で開催。2014年6月にシングル「BRAND NEW STORY」でCDデビュー。2016年5月には、NHKマスコットキャラクターのどーもくんとのコラボユニット・東京パフォーマンスどーも(TPDomo)を結成。2020年の東京オリンピックに向け、日本の多彩な魅力を「Domobics-どーもびくす-」の楽曲に込めて世界に発信するプロジェクトが始動。

【CHECK IT】
1stアルバム「WE ARE TPD」を1月18日(水)に発売。東名阪ツアーを開催。2月26日(日) 恵比寿・LIQUIDROOM、3月12日(日)名古屋・DIAMOND HALL、3月17日(金) 大阪・BIG CAT。3月26日(日)には中野サンプラザホールでダンスサミット。

 
詳しい情報は東京パフォーマンスドール 公式サイトへ
 
 


 
 
「WE ARE TPD」


初回生産限定盤A(CD+Blu-ray)
 

初回生産限定盤B(CD+CD)
 

初回生産限定盤C(CD+CD)
 

期間生産限定盤(CD)
 

通常盤(CD)
 
 


 
 
高嶋菜七(たかしま・なな)
 
高嶋菜七(たかしま・なな)

高嶋菜七(たかしま・なな)

生年月日:1996年12月 31日(20歳)
出身地:兵庫県
血液型:O型
 
 
上西星来(じょうにし・せいら)
 
上西星来(じょうにし・せいら)

上西星来(じょうにし・せいら)

生年月日:1996年8月14日(20歳)
出身地:愛知県
血液型:A型
 
 
浜崎香帆(はまさき・かほ)
 
浜崎香帆(はまさき・かほ)

浜崎香帆(はまさき・かほ)

生年月日:1997年5月2日(19歳)
出身地:福岡県
血液型:A型
 
 
小林晏夕(こばやし・あんゆ)
 
小林晏夕(こばやし・あんゆ)

小林晏夕(こばやし・あんゆ)

生年月日:1998年11月9日(18歳)
出身地:静岡県
血液型:A型
 
 
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