PICK UP ACTRESS 高橋優里花

PICK UP ACTRESS 高橋優里花

PHOTO=厚地健太郎 TEXT=斉藤貴志

 
 

元「乙女新党」リーダー
2.5次元の舞台で人気キャラ役

 
 
――1月18日から舞台「おとめ妖怪ざくろ」に出演。今までも舞台には良い印象がある感じですか?

「そうですね。まだ1回も台詞が飛んだことはないし。だからこそ緊張する部分もあります。いつか飛んでしまうんじゃないかと、毎回ドキドキします」。

――舞台ならではの面白さも味わっていて?

「舞台は1回1回が本当に違うじゃないですか。毎回ハプニングとかもあって。それを生で観てもらえるのは特別なことです。出演者も何回かしかない公演を全力で作り上げるのは、すごく素敵だと思います」。

――優里花さんはもともと女優志望だったんですか? 最初からアイドルになりたいと?

「最初からオールマイティのマルチタレントと言いますか、何でもやりたい感じでした」。

――今回の「おとめ妖怪ざくろ」の原作は知ってました?

「名前は知ってました。やると決まってからアニメを全部観させていただいて。いやー、すごく良いですね。私、涙もろいので、後半はずっと泣いてました」。

――どんなシーンで?

「今回の舞台でもやるんですけど、最後の最後に『えっ? この人がこうなの?』みたいな。悪人もそうなった理由が切なくて」。

――演じる半妖(妖怪と人間の混血)の薄蛍について、公式HPの動画インタビューで「芯が強いところが自分と似ている」と話してましたが、おしとやかで内気なところも?

「結構『似てる』と言われるし、自分でも似てるなと思います。(コンビを組む)利劔役の脇﨑(智史)さんが面白い方で、初めての顔合わせのとき、みんながいるのに私のことをジーッと見つめてきたんですね。そのとき恥ずかしくてずーっとうつむいていたのが、『シーンそのままだね』ってキャストの皆さんに笑われました(笑)」。


――薄蛍の振る舞いで意識することはありますか?

「自然と役になり切っちゃいます。稽古でエチュードをやったんですよ。『こういう状況で自分の役だったらどうするか?』って。たとえば『牛乳を飲む』ということで、半妖は牛乳を飲んだことがないからどうする? とか」。

――薄蛍としてはどうしたんですか?

「人間の軍人さんに『飲みな』と言われて『あっ、ハイ……』って飲む感じ。出しゃばるタイプではなくて『えっと……』となる役だから、みんながくださったタイミングに乗っかりました。キャラをイメージしてしゃべることを大切にしつつ」。

――2.5次元の舞台なので、やっぱり原作のキャラクターに近づく努力も?

「それはありますね。薄蛍はおしとやかだし、周りがちゃんと見えているし、人に頼ったりもお姉さんになったりもする。いろいろな立場ができる子だなと思いました。そういうふうに演じていきたいし、できるだけ似せようとしています。自分と似ているところがあるので、やりにくくはないですね」。

――さっきも出たように、自然に似るところもあると。

「そうですね。でも、アニメに出てきたことを舞台でもやるので、アニメを何回も観て『こういう言い方をしている』というのは、どんどん詰めていこうと思います」。


――衣裳合わせをして、気持ちが同化した部分も?

「かつらをかぶるのが初めてで耳も付けて、不思議な感じがしました。和装だし、鏡を見たら『自分じゃないな』と。見た目はアニメの薄蛍と全然似てないので、意識して心からなり切れるようにしたいです」。

――演じるのが楽しみなシーンもあります?

「全部楽しみです。どれも」。

――利劔とのシーンも?

「あそこはみんなに胸キュンさせないといけなくて。そういうシーンは初めてなんですよ。だから『うまくできるかな?』というのもあるんです」。

――アニメを観て、自分でもキュンとしました?

「しました! もどかしいんですよ、あの2人は。『好き』と伝えないので。薄蛍は相手に触っただけで感情を読み取れるから、利劔の気持ちは知っているんです。なのに自分の気持ちを言えない。そのもどかしさも再現したいです」。

――アニメでは利劔が薄蛍に「大きいから怖いんだろう」と言って、しゃがんで話すシーンもありました。

「いいですねー。キュンときますね」。

――優里花さん目線で見ても、利劔には惹かれます?

「3次元で、しゃがんだりする男子ですか? いないですよ、そんなの(笑)。でも私、自分の好きなタイプってわからないんです。高校も女子校だったから、男子との出会いもなくて。ドラマの『仰げば尊し』で初めて共演したぐらいで、どう接したらいいのかわからなくて。だから恋愛ものをちゃんとできるか、不安もあります」。


――妖怪と戦うシーンもあるんですよね?

「あります。アニメでは歌ってから倒すんですけど、そこが大好きで。舞台でできるんだと思うと、うれしいです」。
 
 

アイドルユニットをプロデュースして
自分でバンバン方針を決めています

 
 
――一方で、優里花さんは今、新たなアイドルユニット「いちごみるく色に染まりたい。」のプロデュースもしているんですよね。具体的にはどんな仕事を?

「もうね、他のアイドルさんが『プロデュースします』と言ってるのとは違うんです(笑)。グループ名もロゴも私が決めました。スタッフさんにも『高橋P』と呼ばれていて(笑)。『文字の色はどれにしますか?』『じゃあ、これで』、『衣裳はこれでいいですか?』『ここを直してください』とか言ってます。『楽曲はこういうのに』『ダンスはこっちのほうがいいです』とか」。

――大人にも遠慮せずに?

「もうバンバン言ってます(笑)」。

――「いちごみるく色に染まりたい。」というグループ名はどうやって考えたんですか?

「まず、かわいいグループ名にしたいと思いました。私は女の子のファンが結構多いので。それで“いちご”はいいなと。事務所もベリーベリープロダクションなので。あと、私は乙女新党ではピンク担当で、いちごは赤ですけど、“夢かわいい”みたいな感じで“いちごみるく”だと女の子ウケが良さそうだし、いちごとミルクを混ぜればピンクになるじゃないですか」。

――確かに。

「メンバーに応募してくる子も優里花みたいになりたいと思ってくれる人が多いだろうし、みんなでいちごみるく色に染まってくれれば……と提案したら、通りました」。

――グループ名で「染まりたい。」も大胆ですね。

「最近はバシッとキメた名前が多いじゃないですか。逆に曲のタイトルなのか何なのかわからない、ユルッとしたくらいのほうがいいかなと思って。新しいことをどんどんやっていきたいので」。


――スタッフに反対もされず?

「全然。『好きにしていいよ』と言われています」。

――メンバー選考も、応募写真から見たんですか?

「全部見ました。事務所の方とみんなで『この子とこの子と……』って決めたんですけど、いい子がいっぱい来てくれました」。

――今後の展開もいろいろ考えていて?

「ライバルユニットも作ります。そっちには私は入らないで、たとえば衣裳が黒とか白だったり、私たちとは真逆なグループにしたいです」。

――自分のグループとライバルグループを両方プロデュースすると。

「そうやって広げていくのが、すごく楽しいです。アイドル塾の塾長にもなったんですよ。事務所のスタジオでアイドルになりたい人を教えるという。自分で事業をどんどん進めていきたいと思います」。

――そういうことも含め、去年は激動の1年だったのでは?

「頑張りました(笑)。うれしいことに、暇なときがなかったんです。乙女新党をやっていたときは高校生で、学校に通ってレッスンもやって、すごく忙しくて。7月に解散したときは、アイドルでやっていくつもりだったから『どうしよう?』と思ったんですけど、『仰げば尊し』に出て、そのあともすぐ舞台『放課後戦記』をやりました。それが終わって映画を1本撮って、同時にグループも作って。クリスマスにいちごみるく色に染まりたい。のワンマンライブがあってレッスンも大変で、『おとめ妖怪ざくろ』の稽古も始まって1月に公演……という感じです」。


――充実しているんでしょうけど、体はキツくないですか?

「大丈夫です。ずーっとパーッとやっていたので。遊ぶ暇がなかったから、遊びというものを知らないんです。学生時代もレッスンして、曲を出すためにボイトレをしたりダンスを練習したり、リリイベを3ヵ月やったり」。

――それが普通だったと。

「そう。そうやって4年間過ごしてきました。そうすると、友だちもどんどん誘ってくれなくなります(笑)。『どうせ優里花は行けない』みたいな。だから休みがあってもどうすればいいかわからないし、忙しくて助かります」。

――“乙女新党ロス”みたいなのもなかったですか?

「考える暇もなく、ポンポン仕事が決まったので。たまに音楽を聴いていて、シャッフルで乙女新党の曲が流れると『あーっ……』となりますけど、今のユニットで頑張って越えようと思います」。

――プライベートで始める時間はなく?

「お洋服のリメイクをしたいんですよね。袖に穴を開けてリボンを通したり。ずっとやりたいと言っていて、全然暇がないんですけど、今、動物をたくさん飼っています。前からトイプードルはいて、去年はハリネズミも飼い始めました。中学の頃から、ずっと飼いたかったんです。流行る前から。犬のロワを飼い始めたばかりだったから、余裕ができたらハリネズミも……と思ってました」。

――じゃあ、4年越しくらいの念願が叶って。

「かわいいです。顔も形も。その1ヵ月後には、ゴールデンハムスターのダルメシアン柄も飼いました。すごく珍しいんです。東京で売っているのを聞いたことがなかったくらいだったのに、なんとお店にいて」。

――たまたま見つけたんですか?

「ペットのコジマのサイトを毎日のように見ていて、ちょうど東京のお店に入ってきて。『エーッ!?』となって、お母さんを連れて直行しました」。

――では、今はペットが癒しに?

「もう、それしかないです。休みの日は早く帰って、ペットと遊んだり眺めています」。


――今年は20歳になるんですよね?

「はい。でも、絶対変わらないと思うんですよね。みんなにも『優里花は変わる気がしない』と言われています」。

――大人になってきた感覚もありません?

「この前、役のために髪を染めて今は茶色ですけど、それで『大人っぽくなった』とは言われました。内面はやっぱり大人になってきています。乙女新党のときはリーダーなのに、メンバーに注意とかできなかったんです。今は注意しなきゃいけないことは言えるようになりました。『みんな聴いて!』って」。

――今年も女優にアイドルに活躍が見られそうですが、さらに新たなことに取り組みたい気持ちもありますか?

「まだ発表してないんですけど、20歳の記念で新たな挑戦をやるとおもいます。いろいろ決まっているので、また忙しい年になりそうです」。

――その皮切りが舞台「おとめ妖怪ざくろ」ですね。

「絶対来たほうがいいですよ。アニメも最高でしたけど、アニメを観た人も知らない人も観たほうがいいです。なぜかと言うと、恋愛的にキュンとする感じも多いし、『そこからの? 次は? 早く見たい!』というのがギッシリ詰まった舞台なんです。アニメだと10何話あるのを、舞台ではギュッと良いところを詰めて、一気にやります。ぜひ観に来てほしいなと思います」。
 
 


 
 

高橋優里花(たかはし・ゆりか)

生年月日:1997年7月22日(19歳)
出身地:東京都
血液型:A型

 
 

【CHECK IT】
2012年12月から2016年7月までアイドルグループ「乙女新党」で活動。2014年7月からはリーダーも務めていた。2016年にはドラマ「仰げば尊し」(TBS系)、舞台「放課後戦記」に出演。同年11月に結成のアイドルユニット「いちごみるく色に染まりたい。」のプレイングプロデューサーを務める。メンバー選考中の公式ライバルユニットもプロデュース。舞台「おとめ妖怪ざくろ」は1月18日(水)~25日(水)に全労済ホールスペース・ゼロで上演。
 

詳しい情報は公式HPへ

 
 

詳しい情報は舞台「おとめ妖怪ざくろ」公式HPへ

 
 

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