PICK UP ACTRESS 石田佳蓮
PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志
アイドリング!!!卒業から1年半
映画「霊眼探偵カルテット」で予知能力を持つ役
――髪をショートボブにしたんですね。
「アイドリング!!!を卒業してから、ずっと『切りたい』というのはあったんです。アイドル時代は衣裳もかわいらしいから、髪も巻いたりアレンジしたくてロングにしてましたけど、卒業して変化が欲しかったし、成人式も終わったこともあって、この機会に切ってみようと思いました。肩まで切ったことはあったので、中途半端ではなくガッツリ行きました。似合わなかったら、また伸ばせばいいし……」。
――評判はどうですか?
「『表情が明るく見える』と言われます。私はファッションで黒っぽいのをよく着るので、ロングだと重たい印象になりがちだったのが、ボブだと軽い感じになりました」。
――髪のお手入れは楽になりました?
「乾かすのがすっごい楽です! シャンプーも1プッシュ。前は2回洗っていたので、半分になりました。逆に、私は直毛だったので、ロングのときはストレートアイロンをかけなくても寝グセは付かなかったんですね。ボブだと朝起きたとき、後ろがペターンとなっているので、セットしないと出掛けられなくなりました」。
――「アイドル時代とイメージを変えたい」というのもあったんですか?
「そうですね。アイドリング!!!の頃からのファンの人には嫌がられるかと思ったら、皆さん意外と『いいじゃん』と言ってくれたので安心しました」。
――ツイッターで、玉川来夢さんの20歳の誕生日をアイドリング!!!の元メンバー4人でお祝いしたと投稿されてましたが、連絡は今も取り合っているんですか?
「取る人とは取ってます。メンバーみんな美容院が一緒で『あっ、とんちゃん(外岡えりか)』、『さかっちさん(酒井瞳)だ』ということもあります」。
――『アイドリング!!!』の最終回では「LINEグループを退会しないこと」と命じられてましたが……。
「私はすぐ退会しがちですけど、まだ繋がってます(笑)。でも、アイドリング!!!LINEはもう動いてはいないですね。昔はイベントに行く新幹線とかで、メンバーの寝顔やヘンな画像をめっちゃ送ってましたけど、今は多くのメンバーが集まったときに稼働する感じで、プロデューサーさんの結婚式の写真が投稿されて以来、動いてないです」。
――アイドリング!!!を卒業して1年半以上が経ちましたが、当初は“ロス”みたいなものはありました?
「ありました。『水曜日なのにライブがない?』とか。しょっちゅう会っていたメンバーとも会わなくなって、誰と会っても『久しぶり』となるのがすごくヘンな感覚でした」。
――生活も大きく変わったでしょうね。
「変わりましたね。アイドリング!!!時代は高校もあったので、いつも誰かに追われている夢を見ていたんですよ(笑)。最近は夢すら見ないくらい、ぐっすり寝ています」。
――卒業後は舞台に2本出演しました。
「アイドリング!!!は人数が多かったので、舞台に出させてもらうと共演の方やスタッフさんから『(メンバーの)○○を知ってるよ』と言われて、会話がしやすいですね。あと、舞台って稽古から1ヵ月とか、一致団結する感じじゃないですか。私はもともと集団行動が苦手だったのが、アイドリング!!!をやっていたおかげで、心をちょっと開きやすくなったかなと思いました」。
――いちタレントとして、より一人立ちしないといけない実感もありました?
「アイドリング!!!では告知を1期生や2期生がやってくれて、私たちは後ろで『お待ちしてま~す』みたいな感じだったのが、『霊眼探偵カルテット』では自分が必要事項を言わないといけなくて……。アイドリング!!!の先輩たちは一回噛んだら、20人くらいのメンバーが『あーっ……』となるのに、そのプレッシャーのなかでやっていたのはすごかったんだと感じます。私は実際、上映会の告知で『ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場』を噛んじゃったり……。そういうところでちょこちょこ『1人になったんだな』と思いますね」。
――その映画「霊眼探偵カルテット」ですが、ああいうホラー系の作品に馴染みはありました?
「自分から進んでは観ません。友だちに『観よう』と言われて、『呪怨』や『パラノーマル・アクティビティ』は観ました。私的には『パラノーマル~』はそんなに怖くなかったです」。
――マジですか!? すごい。
「『呪怨』のほうが怖かったです。たんすのなかから出てくる白い小さい子のおばけが……。あと、すごくイヤな音がするので、耳をふさいで観たりしました。自分では霊感は全然ないですけど、おばけはいると思っています」。
――夜中にトイレに行けなくなったりもします?
「午前2時におばけが通ると言うじゃないですか。小学生の頃はそれがすごく怖くて、夜中にトイレに行きたくなると、ずっと背中を壁に付けて行ってました(笑)。今は大丈夫ですけど、この『カルテット』の撮影では学校がちょっと怖い雰囲気で、『霊がいるんじゃないか?』と感じました。廊下とか早歩きしたくなって、誰かに一緒にいてほしくて、1人だとめっちゃ怖かったです」。
――実際に出たりは?
「夜の撮影になって理科室で待機していたとき、パッと見たらおばけ役の方がいて『わーっ!! ビックリした!!』みたいなことはありました(笑)。皆さんのメイクが本当に怖かったんです」。
――佳蓮さんが演じたショウコは、水晶玉で未来を予知できる役でした。
「水晶玉は見たことがありませんでした。アニメとかでよく出てきますかね? 現場で『これが噂に聞く……』という感じでした。特に『こういうふうに触って』とかは言われなかったんですけど、ショウコは自分の頭のなかに未来の映像が入り込むというより、水晶に映像が実際に見えるイメージでやりました。他の人には見えなくても……」。
――ショウコの性格的なことも考えました?
「台本を読んだときから『変わった子だな』って印象がありました。普通に生活していて『水晶玉を見たい』とは思わないじゃないですか(笑)。あと、水晶玉を見て、これから何が起こるかわかっても、間を一瞬置いてから言う感じがしました。私も一歩遅れて言うタイプなので、そこは似てると思いました」。
――佳蓮さんが一歩遅れるのは、何かを躊躇するから?
「一瞬考えちゃうんです。『これを言うことが相手にとって必要なのかな?』とか。なので、よく『行動が遅い』と言われます。それに、人と争わないところもショウコと私は似ていると思います。誰かと誰かがケンカしていたら、『終わったかな』と思ったところで『ケンカ終わった?』みたいに聞くタイプ。映画のなかでショウコにもそういう感じの台詞があって、言い方も想像しやすかったです」。
――そういえば、アイドリング!!!でも5期生は「前に出てこない」「控えめ」と言われてましたね。
「控えめでしたねー。1人1人を見たら個性もあったと思いますけど、周りの個性が強すぎて、負けていた部分がありました」。
――劇中ではショウコの能力は「占いではなく予知」とのことでしたが、佳蓮さんは水晶とかで占ってもらったことはあります?
「手相は見てもらったことがあります。渋谷にある占いの館みたいなところで、友だちが『よく当たる』と言ったので……。そしたら私は『家で死ぬ』と言われて、『そんな手相があるの?』と思いました(笑)。あと、『お金に厳しい』とも言われました」。
――それは当たってます?
「はい(笑)。お金の使い方はすごく考えます。自分が何にいくら使ったかは把握してます。母がそういうタイプなので……」。
意外とアクティブなのでバンジーとか
やったことがないものは体験したいです
――映画の撮影スケジュールはタイトだったそうですね。
「4日ぐらいで撮ったのかな? 睡眠時間が毎日2~3時間だった気がします」。
――メインキャスト4人はお互い初対面で?
「初対面でした。みんなおとなしいんですよ。撮影が忙しかったこともあって、休憩中はほとんど寝ました。でも、その後に集まると、受け答えとか『みんなアイドルだな』と思います。アイドリング!!!はアイドルらしいアイドルではなかったので、『面白いことを言わなきゃいけない』と刷り込まれちゃっているんですけど(笑)」。
――佳蓮さんは笑わせようとしていたんだ。
「面白い話ができないのは自覚してますけど、『私なりの面白いことは言わなきゃ』とは思っていました。何の話で盛り上がったかな? 食べ物の差し入れをいただくと、みんな寝ていたのに起きて食べ出した記憶はあります(笑)」。
――そんな佳蓮さんも、今や20歳なんですよね。
「もう時が止まってほしいです(笑)。10代でいたかった。20歳になって、そんなに変わった感もありません。らむたん(玉川来夢)と乾杯できた……というくらい。次の自分の誕生日には『もう21歳か……』と思っていそうです(笑)」。
――お酒は飲むんですか?
「ほとんど飲みません。周りが飲んでいたら『じゃあ、飲もうか』という程度です」。
――来夢さんたちと乾杯したときは?
「甘いカクテルを飲みました。倉田瑠夏ちゃん、橋本楓ちゃんもいて、みんな甘い系でしたね。ビールを飲むメンバーはいませんでした」。
――スポーツ紙の取材で、今後の目標にローラさんを挙げてました。
「目標というか、憧れというか……。多才で女の子からも憧れられて、私もそんなふうになりたいというのはあります」。
――そうなるために努力していることはあります?
「女子は絶対コスメやダイエットのことは考えていると思いますけど、深い部分でちゃんとした知識を持ちたくて、本を読んだりネットで調べたりしています。アイドルだったときも毎日メイクしてましたけど、男性ファンの方は濃いメイクや変化のあるメイクがあまり好きじゃないですよね? だからいつも同じメイクだったんです。最近はアイラインを強くしてみたり、チークに紫を入れたり、ちょっとした変化を楽しんでいます」。
――そういうことを発信していこうと?
「そうですね。でも1人1人合うものが違うので、発信するときは緊張します」。
――アイドル時代の財産だと思うことはありますか?
「すごく感じるのは、いろいろなファンの方とお話させていただいたので、1対1のおしゃべりは得意だと思います。私、大人数のなかだと控えめになっちゃいますけど、1対1だと絶対話さなきゃいけない感覚になるので、自分からいろいろ質問したくなります。そこはアイドリング!!!で培ったものだと思います」。
――現在の身近な目標や課題は何ですか?
「一番は7月にやらせていただく舞台『サヨナラノ唄』ですね。病気でもうすぐ命が……という重い役で、もちろんそういう経験はなくて『その気持ち、わかる』とは言えないから、難しいところだと思うんです。そこを乗り越えていきたいです」。
――舞台は今後も力を入れていこうと?
「演技もやらせていただきたいですね」。
――歌は?
「いや、歌は好きなんですけど、需要はないと思います(笑)。もうちょっとかわいい声だったら、あったかもしれませんけど……」。
――今日の撮影の合間に、ちょっと振りをやってましたよね?
「卒業してから、アイドリング!!!の曲を聴くようになったので……。あの時代はリハでいっぱい聴くから、イヤホンを通してとか聴かなかったんです。今になって、まいぷるさん(遠藤舞)とか(横山)ルリカさんとか、先輩の歌声を聴きたくなります」。
――振りは体が覚えているものですか?
「みんなは結構覚えてますけど、私はたぶんメンバーのなかで一番忘れているほうだと思います(笑)。特にNEO(from アイドリング!!!)の振りはギュッと詰めて覚えたこともあって、すっかり忘れていてビックリしました(笑)」。
――その分、新しいことが身に付いたんでしょうね。この夏にプライベートでは楽しみなことはありますか?
「毎年どこかの花火大会に行ってるので今年も行きたいのと、できたら旅行したいです。沖縄か海外の南国系か。お仕事では行ったことありますけど、ぜひプライベートで。あと、バンジージャンプとかバナナボートとか、アクティブなことをしたいです」。
――へーっ。そんなイメージはありませんでした。
「そう思われがちですけど、意外とアクティブです。運動も人よりヘタなだけで、好きなんです。あまり本気でやるとケガしちゃうので、本気ではやりませんけど……」。
――久しぶりに相撲を取りたいとか(笑)?
「それは絶対イヤです(笑)。さかっちさんは『よっしゃー!』みたいな感じになると思いますけど、私は『アイドリング!!!』のスポーツ系の企画は勝ったためしがないし……。今なら背が伸びたるかぴょん(橋本瑠果)にも負けちゃうと思います」。
――バンジーには怖さはないですか?
「たぶん飛ぶ台に立ったら怖いと思います。でも、やったことがないものは体験してみたいタイプなので……。それで、やってみて『イヤだー!!』と思うタイプです(笑)。おでこ全開で飛んだ動画を流せばファンの方は喜んでくれると思うので、挑戦したいですね」。
石田佳蓮(いしだ・かれん)
生年月日:1996年8月6日(20歳)
出身地:東京都
血液型:A型
【CHECK IT】
2009年から「ラブベリー」(徳間書店)で専属モデル。2011年にドラマ「山村美沙サスペンス赤い霊柩車27 魔女の囁き」(フジテレビ系)で女優デビュー。2012年3月にアイドリング!!!に5期生として加入。2015年10月に全員卒業。これまでの主な出演作はドラマ「ランチのアッコちゃん」(NHK BSプレミアム)、映画「終焉少女 LAST GIRL STANDING」、「アルプス女学園」、舞台「大きな木の下で ~あの頃俺らの毎日はウザいくらいアツかった~」、「きら星のごとく~ おんな北斎 藍色草紙~」ほか。映画「霊眼探偵カルテット」が6月17日(土)から公開。舞台「サヨナラノ唄」が7月13日(木)~23日(日)にCBGKシブゲキ!!にて上演。
詳しい情報は公式HPへ
「霊眼探偵カルテット」
詳しい情報は公式HPへ