PICK UP IDOL callme
PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志
セルフプロデュースで高質な音楽
ブレイカーが落ちても曲作りに没頭
――2ndシングルの「Can not change nothing」というタイトルは、文法的には二重否定という形ですね。元は「Do not say nothing」という曲だったそうですが。
MIMORI「『Do not~』のとき、サビからできて”これでいいの”って言葉が最初に浮かんだんです。”これでいいの?”と聞いてるようにも”これでいいの!”と肯定してるようにも取れるじゃないですか。そこからいろいろもじって”Do not say nothing”という言葉が出てきました。”口出ししないで!”という意味だったんです。強気な曲にできたらと思って、強気な英語にしました」。
――それから、ドラマ「神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎」(MBS・TBS)のエンディング・テーマとして書き換えたんですよね。
MIMORI「Aメロとかはけっこう変えました。前のままだと強すぎちゃって、ドラマの台本を読んだイメージと合わなかったんです。もうちょっと自分にやさしく、周りにもやさしく、言葉を柔らかくしたりしました」。
KOUMI「みもちゃんは詞を変えるのにすごく苦戦してました。最初に出来上がったのが一番良く感じるだろうし、私たちから見ても『Do not~』がしっくりハマっていたので、大変だったと思います。2人も意見を聞かれましたけど、最終的には自分でしっかり形にして、さすがです」。
MIMORI「やっぱり前の歌詞のインスピレーションが強かったので、そこから一旦離れることに苦労しました。言葉が出てきても、前の印象が忘れられなくて」。
RUUNA「前より明るくポップな歌詞になりましたね。私たちはドラマの台本を読んでなくて、逆に歌詞からドラマの内容を勝手に想像して、楽しみになりました」。
――タイアップに合わせて曲を書いたのは初めてでしたっけ?
MIMORI「初めてでした。今までは自分の作った物語でしか歌詞を書かなかったので、物語に合わせて自分の言葉を書いて刺激をもらいました。歌詞を考えている最中は、難しくて『ああ、もう!』となっちゃうんです。でも、終わってみたら『楽しかったな』と」。
――ドラマの何話か分の台本を読んだんですか?
MIMORI「2話まで読ませてもらいました。いろいろな登場人物がいて、個性的なキャラクターを歌詞のなかに立たせられたらと思いました。”十人十色”をテーマにして。前の曲も個性を大事にしようとする歌詞だったのを、”人から刺激をもらって自分なりの強さを身に付けていく”という曲にしました」。
RUUNA「こうみんはすごくマイペースなんです。どんな状況でも。それは羨ましいときがあります。私が時間とかキッチリするタイプなので、こうみんぐらい自由に生きてみたい」。
――いわゆるO型的な?
RUUNA「自分の時間があるんですよね。人に合わせるより”私はコレ”という感じで行くので、まとめるのは大変です。『おーい!』と2人を呼ばないといけないから(笑)」。
KOUMI「でも、私はみもちゃんほどではないです」。
RUUNA「2人ともマイペースですけど、MIMORIさんは……」。
KOUMI「特殊(笑)」。
RUUNA「何かに一回集中すると、ずーっとやっているんです。作詞するときも、チョコレートとかを無意識にたくさん食べながら、ずーっと書いていて。机の上がお菓子のゴミでいっぱいになっていくんですよ(笑)」。
MIMORI「糖分って頭の回転に良いというじゃないですか。その言葉から作詞中に食べちゃうようになって、気づくとチョコやアメのゴミが辺りにバーッとあります(笑)。ひと口チョコレートがスタジオに置いてあって、それが大好きで、どんどん食べちゃうんです」。
――ひと口チョコって、つい食べちゃいますよね。
MIMORI「そう。しかも、なくなるとスタッフさんが補充してくれるから、また手が伸びちゃう(笑)」。
RUUNA「本当に、ハマると昼も夜も関係なくずーっとやってるんです。3人で一緒に住んでいるんですけど、みもの部屋は夜3時とかに電気がついてたり」。
MIMORI「RUUNAさんに怒られて、ブレイカーを落とされるようになりました(笑)」。
RUUNA「そこまでしないと、みもはダメなんです。子どもみたいに時間も何も見ないので。話し掛けても気がつかない。特に歌詞を書いているときは一番集中しているので、ブレイカーをバン!と(笑)」。
MIMORI「『暗くなった』と思って、ロウソクをつけました」。
――ロウソク?
MIMORI「あっ、アロマキャンドルです(笑)。火をつけて、灯りをともして」。
――「今日はここまで」と切り上げたりはせずに?
MIMORI「『やれるところまではやっちゃおう』と。でも、気分次第です。『今日はここまでかな』と思ったら、すぐやめて寝ますし」。
――「やろう」と思ったら、翌日に何があるかは気にせず?
MIMORI「関係ないですね。この前は朝7時に集合で、寝たのは5時でした(笑)。気づいたら5時になっていたので、さすがに『これは怒られる』と思って寝ました」。
――そんなMIMORIさんが2人の”いいな”と思うところは?
MIMORI「こうみんは”女の子”というか、流行りに敏感で、ファッションとか取り入れるのが早いんです。いっぱいネットで調べたりして、情報を何でも知ってます。私はそういう細々としたことが苦手で」。
KOUMI「情報、売るよ(笑)」。
――情報屋(笑)?
MIMORI「SNSにも強いんです。いろいろな方のインスタグラムを見たりして、『今この方は海外で公演しているよ』とか。流行の洋楽も教えてくれます。RUUNAさんはさっき出たように、すべてがキチッとしていて計画性抜群なんです。一緒にお出掛けするときは、全部お任せ。前日の夜に『何時にどこ集合で、チケットはここで買って、お昼ごはんは何時、夜ごはんは何時』までキッチリ決まってます」。
RUUNA「決めちゃうんです。『何時の電車に乗るから』とか前の日に連絡します」。
――雨とか不測の事態で計画が崩れたら?
RUUNA「急いで調べ直して、組み立て直しますね」。
MIMORI「すっごいキッチリしてるんです」。
RUUNA「たぶん2人がキッチリしてないから、自然とキッチリするようになったのかと(笑)」。
――それを面倒に思うわけでもなく?
RUUNA「ないですね。それより時間に間に合わないのがイヤで、必ず余裕のある行動をしたくなっちゃいます」。
KOUMI「みもちゃんは、周りに何を言われようが自分の道を突き進むところですね。人の意見に左右されず、いつもしっかりしているのが羨ましい。でも、女子っぽくないというか」。
MIMORI「えーっ、ひどい(笑)」。
KOUMI「女の子って普通、出発の1時間か2時間前に起きるじゃないですか。みもちゃんは30分前なんです。私とるうちゃんが『行ってきまーす』と言うときに、まだ髪が濡れてる(笑)。そういうところがマイペースに感じます」。
――「ランドリー茅ヶ崎」はコインランドリーが舞台のドラマですが、みんなはコインランドリーに馴染みはあります?
RUUNA「遠征で地方に行ったときに使うことはあります」。
MIMORI「RUUNAさんが衣裳にジュースをこぼしちゃったときとか(笑)」。
RUUNA「『すぐ洗わないと!』って(笑)」。
KOUMI「ホテルに泊まって、次の日もライブがあるときに衣裳を洗ったり」。
MIMORI「30分待ってる間に、ベンチに座って、お話してるのは楽しかったです」。
RUUNA「誰が取りに行くか、よくジャンケンしました。でも、そういうときにこうみんがやさしくて、『私が行くよ』と言ってくれたり」。
KOUMI「ひと肌脱ぎました。思いやりのある情報屋です(笑)」。
今年で3人とも20歳になるので
峰不二子を目標にしています(笑)
――カップリングの「Real love」は大人の恋愛路線の第3弾。前の「game is mine」とか、MIMORIさんはイメージする歌の主人公の絵を描いてから作詞するそうですが。
MIMORI「この曲は頭のなかで想像が働きました。その頃、『ルパン三世』の峰不二子ちゃんにハマっていて(笑)、ルックス的にはああいう感じの女性ですかね。今年の私の目標が”峰不二子になること”なんです。大人のセクシーな女性になりたくて。こういう曲も歌うなら、セクシーさも大事だし」。
――セクシーな大人といえば峰不二子だと?
MIMORI「アニメで『ルパン三世』を観たとき、峰不二子ちゃんの台詞がカッコ良かったんです。『どちらの選択がお好み?』という。自分が答える側でも相手よりひとつ上を行く感じで、胸を打たれて『こんな女性になりたい』と思いました」。
――2人も「Real love」で峰不二子は浮かびました?
KOUMI「それはみもちゃんだけ(笑)。私はビヨンセさんのイメージで振りも考えました」。
RUUNA「すごく大人な曲を書いたな、とは思いました。またひとつ武器を手に入れられたと思ってます。今年みんな20歳になるので、新しい一歩を踏み出すのにふさわしい曲ではないかと。あと、思い切ってサビを全部英語にしました」。
MIMORI「最初は日本語で上げて、ちょこちょこ英語も入ってましたけど、アレンジの感じから『全部英語のほうがハマるね』となって。こうみんの部屋をドンドン叩いて、『これ英語にして』と丸投げしました(笑)」。
KOUMI「英語は好きで高校も外国語コースに通ってましたけど、日本語みたいに細かく書けないので。英語でもこっちとこっちの言い方があるけど、みもちゃん的にはどっちがいいか選んでもらったりしました」。
MIMORI「100%妄想ですけど(笑)」。
RUUNA「すごく想像して、完全になり切ってやってます。振付でも今までにないセクシーなポーズがあるので、3人で鏡を見ながら『どれが一番セクシーに見えるだろう』と練習しました」。
KOUMI「振りだけでなく角度にもこだわって、内から大人っぽさが出るようにしました」。
MIMORI「こうみんが厳しかったです」。
KOUMI「ビヨンセさんのパフォーマンスを見て、研究しながら考えました」。
MIMORI「その動画がこうみんから送られてきました。『なるほど。こんなふうにできたらいいな』と、夜中にリビングで練習してました」。
――歌には寂しさも漂っていますよね。
MIMORI「本当の愛を探している感じで、たぶんまだ知らないんですよね」。
――「You’re my true friend」は逆に素直な心情が出ていて。”どんな時だって隣にいるよ”とか。
MIMORI「こっちは等身大で、スラスラ歌詞が浮かびました。去年の同じ時期に『Once again』という友だちに向けた曲を書いて、今の気持ち的にもう1曲すぐ書けそうだったんです。実際の友だちを思い浮かべました」。
KOUMI「歌うときも『Real love』と違って、本当の自分を出せたのが大きかったです。すごく良く仕上がったと思います」。
――3人はもう”友だち”という感覚ではないですかね?
MIMORI「友だちではないですね」。
KOUMI「家族より一緒にいるから、すごく深くて」。
RUUNA「不思議な立ち位置になるよね。みもと私は幼稚園も一緒で」。
MIMORI「その頃はまだ知り合ってなかったけど、ビデオがあるんですよ」。
RUUNA「観たら映っていて」。
MIMORI「『あれ? これRUUNAさんじゃない?』と思って、何幼稚園だったか聞いてみたら、一緒だったという」。
RUUNA「けっこうありますね。今回の作品を作るときも、よく3人で話しました」。
MIMORI「招集がかかります」。
RUUNA「『リビングで打ち合わせしよう』とか。自然に始まるときもあるし、3人でごはんを食べに行っても、たいてい『これからどうしていきたい?』という話がどんどん出てきます」。
KOUMI「『callmeでこうなりたいよね』とか」。
RUUNA「いろいろな方のライブDVDも、3人で勉強のために観ます。『自分たちだったら、こういうのがいい』とか話しながら。それぞれの好きなアーティストさんのコンサートに3人で行ったりもします」。
KOUMI「去年だとマルーン5さん、BIGBANGさんとか。今年はSuperflyさん、カーリー・レイ・ジェプセンさん」。
――洋楽はKOUMIさんの趣味で?
KOUMI「はい」。
RUUNA「ライブ前に『この曲とこの曲を聴いてきて』と送られてきます(笑)」。
――Superflyさんは誰が好きで?
RUUNA「みんなで『行ってみたいね』と話してました」。
MIMORI「すごかったんです。本当に! 圧倒されるというより、口が開いたままふさがらないというか」。
KOUMI「『なんであんなふうに歌えるんだろう?』と思うような、不思議な感覚になりました」。
MIMORI「足がガクガク来ちゃったもんね」。
――そういえば「You’re my true friend」も、MIMORIさんが好きなアーティストの曲からインスパイアされたとか。
MIMORI「マイリー・サイラスさんが小さい頃から好きで、アルバム制作が終わって余裕があったときにいろいろな曲を聴いていて、『この感じはいいな』と思って作りました」。
――こっちの英語サビは、MIMORIさんが自分で頑張ったんですよね。
MIMORI「そうなんです。こうみんにも『これ文法的におかしくない?』と聞きましたけど、実際に言葉を並べました。辞書を引いたり検索して。学生の頃の試験勉強を思い出しました(笑)」。
――MIMORIさんの曲作りは、キーボードを弾いてるうちに何となくできるというより、最初から着地点を決めて取り組むんですか?
MIMORI「いろいろな場合がありますけど、今回のシングルは『こういう曲がいいな』と思ってから作りました」。
――このシングルは4月発売で、陽気も春めいてきますが、この冬の思い出を最後に教えてください。
RUUNA「12月に初めてのツアーをやれたことが大きかったです。地方によって人気の曲が違うのを肌で感じられたし、名古屋では最初からボルテージが上がってしまったり。今年もツアーができるように頑張りたいです」。
MIMORI「3人でごはんを食べに行くことが多い冬だったなと、最近思いました。水炊きをよく食べて、ツアーで名古屋に行ったときは、ちゃんこ鍋を初めて食べて。ちょっとポッチャリしちゃったけど(笑)、みんなで元気を付けて健康に過ごせました」。
KOUMI「個人的には、ラジオでカーリー・レイ・ジェプセンさんのインタビューに行けたことが、人生のなかでも大きな出来事でした。『いろいろな国に行って、その国ならではのものを楽しんで刺激をもらうことが大事』と言われて、『ハァー……。すごいな』と思いました。これからのcallmeの活動に活かしていきたいです」。
callme(こーるみー)
KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人によるガールズユニット。2014年12月30日に結成。それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフプロデュースする新しいスタイルのガールズユニットとして活動をスタート。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3人が一体となったクオリティーの高いダンスと楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅力。
【CHECK IT】
2ndシングル「Can not change nothing」が4月6日(水)に発売。深夜ドラマ「神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎」(MB・TBS)のエンディング・テーマ。3ヵ月連続で新曲を披露する「callme Live Challenge 2016」を開催。3月26日(土)代官山UNIT、4月2日(土)仙台CLUB JUNK BOX、4月30日(土)ヤマハ銀座スタジオ、5月22日(日)Shibuya WWW。
詳しい情報は公式HPへ
RUUNA/秋元瑠海(あきもと・るうな)
生年月日:1996年9月 9日(19歳)
出身地:宮城県
血液型:O型
KOUMI/早坂香美(はやさか・こうみ)
生年月日:1996年5月31日(19歳)
出身地:宮城県
血液型:O型
MIMORI/富永美杜(とみなが・みもり)
生年月日:1996年6月14日(19歳)
出身地:宮城県
血液型:O型
4月6日(水)に発売になる2ndシングル「Can not change nothing」のMVはこちら!