PICK UP IDOL アイドルネッサンス
PHOTO=古賀良郎 INTERVIEW=斉藤貴志
結成2年でファーストアルバム
時代を越えた名曲カバーの集大成
――今日は早朝から取材時間をいただきましたが、みんな朝は強いんですか?
百岡「みんな苦手ですけど、茉凜とまいなが2トップで弱いです」。
宮本「『2トップ』って(笑)」。
百岡「3人でホテルに泊まったことがあって、私はリンリン目覚ましが鳴ったら普通に起きられるので、前の晩に2人に『起こしてね』と言われたので起こすんですけど…。全然起きない(笑)!」。
――起こすと、どんな反応が?
百岡「茉凜は『うーん……』って寝たまま」。
宮本「私は本当に寝起きが悪いので。学校にも家を出る15分前に起きて行くのが当たり前(笑)。お母さんに『焦らなすぎて、こっちが怖い』と言われます」。
百岡「まいなは普通に『時間だよ』って起こすと、手でバーンとはねのけられたり(笑)」。
宮本「蹴ったりするときもあるよね(笑)」。
南端「全然無意識です(笑)。ごめんね」。
石野「以前イベントで海外に行ったときのまいなが寝てる動画があります。みんなに囲まれて起こされてるのに、1人でずっと寝ていて(笑)。写真を撮っても、触っても起きない」。
比嘉「まいなは寝てる動画が多いよね」。
宮本「私はまいなの誕生日に、まいなのヘン顔画像を集めてブログに載せたんですけど、寝顔がヤバイです。すぐ白目をむくし(笑)」。
宮本「ギャップがすごいので」。
石野「まいなはイメージとまた違う子なんです」。
宮本「この前はMV撮影の帰りのバスで、ごはんを食べながら寝ていて、赤ちゃんかと思った(笑)。お皿を落としてハッとなって、それで懲りたかと思ったら……」。
石野「また寝たよね。食べるか寝るか、どっちかにして(笑)」。
南端「低血圧なんです」。
――関係あるのか(笑)。
比嘉「私も朝は弱いほうで、アイドルネッサンスに入ってから、朝早い日は前もって計画を立てて起きるようになりました」。
宮本「集合にだいたい一番に来るよね。私は一度、大遅刻して、新幹線移動に乗り遅れました(笑)。自分が悪いので、盛岡のショッピングモールまで、自分で調べて1人で新幹線に乗って追い掛けました」。
――リーダーの乃亜さんは、その辺はしっかりしていて?
新井「してる?」
比嘉「しっかりしてます。ホテルでも起こしてくれます」。
新井「なっこ(比嘉)は素直に起きることは起きるけど、目をつぶったまま立ち上がってフラフラして、何分か経ってから『おはよう……』みたいな(笑)」。
宮本「しかも比嘉さん、目覚ましに私たちのシングル曲の『17才』を流すんですよ」。
新井「それが本当にうるさい(笑)!」。
比嘉「『17才』はイントロの”テテデーン”が起きやすいんです」。
宮本「でも、自分は起きてない(笑)」。
比嘉「起きられないのがわかっているから、10分おきに流れるようにしています」。
石野「でも起きないから、10分おきにひたすら『17才』が鳴って、うるさくてうるさくて(笑)!」。
宮本「あの朝だけは『17才』が嫌いになりそう(笑)」。
百岡「結局、他のメンバーが止めるんです」。
新井「石野は他の人の目覚ましを止めるのは得意です。バン、バン、バンって」。
宮本「しかも、止めるだけ止めて二度寝する(笑)」。
石野「たまに人のも自分のも止めて二度寝してます(笑)。音に敏感なのか、睡眠の邪魔になるものは消していくんです。睡眠の質って大事じゃないですか。電気も完全に消して、すべてを静かな状態にして、また寝ます。でも、起きるときはすぐ起きます」。
宮本「原曲と歌詞が来て、男性の曲が多いからキーを上げたメロディも送られてくることがあります」。
――アルバムの新録曲だと、たとえば「ベステンダンク」なら高野寛さんの歌をまず聴いて?
宮本「そうですね」。
――この曲はスキーウェアのCMソングだったんですが。
6人「エーーーッ!?」。
百岡「それは初めて聞きました」。
石野「でも、曲のことは調べます。『ベステンダンク』は最初、歌詞のままの情景を思い浮かべて”壁”を想像したりしましたけど、高野さんは当時のベルリンの壁(崩壊)とかを例えてらっしゃったらしくて。『そういうことだったのか!』と思って、私たちが感じるものとは違う部分ながら、そこも大事にして歌っていきたくなりました」。
――理子さんはこの曲の”今までとこれからが廻りつづける”という歌詞に「ドキッとした」そうですが。
石野「過去があって未来があるわけで、それを”気付くだろう”と言われて、自分に投げかけられた気がしたんです。そこのメロディの変わった音の鳴り方もクセになる感じがして好きです」。
――乃亜さんはアルバム制作に「歌詞を伝えよう」というテーマを持って臨んだそうですが、「ベステンダンク」で伝えようと思ったことは?
新井「今の私たちが歌うと、この活動に対する想いが出ると思います。アイドルネッサンスをもっと大きくしたいとか、未来に向かう歌として伝えていきたいです」。
――みんなにも”叫ばずにはいられない”ことはありますか?
石野「グループで歌っているので、私たちみんなの気持ちとして、皆さんへの感謝は叫ばずにはいられません。『ベステンダンク』(ドイツ語で”どうもありがとう”)という曲なので」。
百岡「原曲を初めて聴いたとき、MVも観て、本当に明るく前向きになれました。『歌いたいなー』と思っていたら、歌割りが決まって、見たら歌い出しをいただいていて。その最初の”はじけ飛ぶストーリー”という歌詞が良いんです。イエイ、イエイなんですよ(笑)」。
――躍動感があると。レコーディングでもはじけ飛びました?
百岡「そうですね。特に”ねえ ねえ ねえ”のところは三回目の”ねえ”を強調して、問いかけるように歌ったので、注目してほしいです。あらちゃん(新井)の歌い方がこの曲と合っている気がして、ちょっとマネさせてもらいました(笑)」。
――やっぱり歌い出しパートをもらうとうれしいもの?
石野「責任重大ですけどね。その曲のつかみ、第一印象みたいなものじゃないですか」。
宮本「私はなかなか出だしの歌割りをもらうことがないんですけど、『ドカン行進曲』では、ほとんど音がないところから自分の声がドーンと入るので、ライブでやるときは始まる前から気が気でない。緊張しかない感じです」。
百岡「私もライブで『Yeah!Yeah!Yeah!』をやったら相当緊張すると思いますけど、曲の良さを伝えられるように頑張ります」。
音楽の楽しさをお客さんと共有したい一心です
――奈菜子さんは「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の音源化を熱望していたと。
比嘉「ライブで盛り上がるので『アルバムに絶対入れたい!』と心のなかで思っていて、入ると聞いたときは『しゃあ! 来たっ!!』と(笑)。本当にライブの人気曲で、最後のコール&レスポンスもお客さん側の声を私たちでやって入れてます。原曲を知っている方は岡村(靖幸)さんの楽曲の記憶を思い出しながらも聴けるし、私たちのライブを感じながらも聴いて頂けるし、いろいろな楽しみ方ができる曲だと思います」。
――ライブでは”青春って1、2、3、ジャンプ”とか跳ねながら歌うじゃないですか。よく歌がブレないですよね。
百岡「逆に、レコーディングではそれができないから難しくて。テンションを上げて歌わないと、この曲に合わないので」。
新井「ブースのなかで1人でめっちゃテンションを上げて歌ったので、見られたらすごく恥ずかしい(笑)。実は(メイキングの)カメラは回ってるんですけど」。
新井「顔はチョー笑顔でした(笑)。”青春って~”のところも『せーい!しゅーんって!』みたいに叫んで、マイクに手がぶつかっちゃうぐらいの勢いでした(笑)」。
――まいなさんは「金曜日のおはよう」がカバーする前から好きだったとか。
南端「好きでした。ストーリーのなかに切なさやキュンキュンする気持ちが出ていて。”8:00 2車両目”とか現実味がある歌詞で、通学電車のなかに自分がいるみたいで想像しやすいです。頭に浮かんだままを歌っています」。
比嘉「1曲が全部ストーリーになっていて、間奏では私と宮本さんの寸劇が入ります。CDで聴くのもいいけど、ライブで振付も一緒に観ていただいたら、もっと楽しめます」。
宮本「歌詞の細かな単語にも忠実な振りになっていて、本当にかわいいです。キラキラした曲で、きっと朝に聴いていただけたら目が覚めて、気持ちよく通勤・通学できると思います」。
――だったら茉凜さんも朝に聴いて、キラキラと目を覚ましたら良いのでは(笑)?
宮本「私もこれでも成長したほうなんです。最近は学校に行く30分前に起きられるようになりましたから(笑)!」。
――みんなも通学電車で、こんな胸キュンなことはありますか?
南端「私も”お気に入りの特等席”があるんです。一番端っこの席が好きで。そこは私のパートで、歌っていて『うん、うん』みたいな。自分が経験していることを歌っているから表現しやすいです」。
石野「現実はそんなものじゃないよ(笑)。私は電車でいつもモミクチャにされて、手はこっちなのに足はあっち。床に倒れたこともあります」。
――広島で?
石野「はい。広島をなめちゃいけません(笑)。東京の満員電車もきっついけど、広島も負けてないです。電車の本数が20分に1本とかだから、余計に人が集中するんです」。
南端「まいなも東京で混んだ電車に乗ってますけど、その特等席の前に立っていて、座っていた人が立ったら『空いた!』って座ります」。
石野「わかった! まいなは寝坊して遅刻するから、電車に通勤の方とかいなくて、すいているんだ」。
南端「違う! ちゃんと混んでいる時間に行ってます」。
比嘉「モノレールしかなくて。しかも2両。満員電車なんてないから、初めて乗ったときは『何これ……』って。」。
百岡「私は岩手では学校まで歩いて3分で着いちゃって、東京に行くまで満員電車に乗ったことはありませんでした」。
比嘉「こんなに無理やり入るの? いやいや、もう閉まっちゃうから……と思っても人が入ってくるので、怖くて」。
百岡「人との距離が近すぎて『エーッ!?』みたいな」。
新井「意外と人が入れることにビックリするね」。
比嘉「東京で電車に乗るのはスポーツみたいです。でも最近は、私も改札をPASMOでパパッと軽快に通ります(笑)。ピッと触れないで少し離しても、サラッと行けることがわかりました」。
宮本「カッコつけてやってると、ピコーンと閉まっちゃうよ」。
比嘉「それが怖い(笑)」。
――茉凜さんのおすすめは「太陽と心臓」ということで。
宮本「自分のパートが”重いトビラひらかなくて一人で困っている そんな時は大勢で押すしかないさ”で、皆さんの前で歌っていると、いつも私たちの背中を押してもらっている感謝も芽生えるし、自分が実際に何かでつまずいたときは、この曲に背中を押されます。”空には太陽 からだには心臓があれば生きてゆける”と思ったら、『ちゃんと生きよう』という気持ちになります」。
――スカのリズムには最初、手こずりませんでした?
宮本「ありました。聴いてると『面白いリズムだな』と思いつつ、自分が歌うと『遅れてる』とか『走ってる』と、スタッフさんによく言われてました」。
――この曲は卒業した橋本佳奈さんがライブでトランペットを吹いていたのも懐かしいですね。
比嘉「アルバムにシングル曲は当時録ったままで入ってます。録り直しとかせずに」。
宮本「私たちの歴史が詰まっています。しかも『17才』と『太陽と心臓』と『初恋』は廃盤になっちゃって、CDとしてはもう手に入らないんです。このアルバムで復活したから、ゲットしてほしいです」。
――「YOU」がシングルで出たときは、理子さんがやたら気に入ってましたよね。ライブでも「抱きしめられた~い!」とか言って。
石野「私は歌に気持ちが入ると目をつぶるクセがあるんですけど、『YOU』のサビとかほとんどつぶっていて、写真がひどかったという(笑)。アルバムの1曲目になって、スタートする感じのイントロとかも合わせてワクワクすると思います」。
石野「変わらないです。もうちょっと年を取れば『あのときはこうだった』とか思うかもしれませんけど、1年があっという間に過ぎて、まだそんなに気持ちが変わってないので。いつ歌っても『この曲は良いな』と思います」。
――その1年のなかで、去年10月の1stワンマンライブは、みんな「納得できなかった」と話してました。反省を踏まえて、2月の2ndはどんなことに力を入れて臨んだんですか?
石野「強化レッスンとかをしたわけではないですけど、『Funny Bunny』のリリースイベントで成長できたんじゃないかと。年を越してから候補生とのライブもあって改めて『私たちも頑張らなきゃ』と思ったし、周りでどんどん物ごとが動いて焦らされた部分もありつつ、気持ち的にはワンマンに向かって盛り上げていけた気がします」。
新井「リリースイベントではワンマンに向けて『新しいお客さんを引き込もう!』と、MCもみんなで工夫しました。NHKさんの『MUSIC JAPAN』とかテレビに出演させていただいたときも、MCを練習して」。
宮本「命がけだったよね」。
新井「これが全国に流れて、自分たちの今後にいろいろ関わってくると感じていたので、MCを呪文のように唱えて覚えたり(笑)。とにかくお客さんを増やしたい気持ちはすごくありました」。
――これからもイベントやライブが続きます。
新井「観にきてくださる方にはとにかく楽しんでほしいし、私たちも楽しんで皆さんに音楽を伝えています。音楽の楽しさを一緒に共有したい一心です」。
宮本「5月4日にはO-EASTで2周年のワンマンも決まりました。ついに1000人を超えたキャパになるので、満員のお客様と音楽を楽しみながら、2年間の感謝の気持ちと私たちの成長を観ていただけるように頑張ります」。
新井乃亜(あらい・のあ)
生年月日:1999年1月17日(17歳)
出身地:埼玉県
血液型:A型
宮本茉凜(みやもと・まりん)
生年月日:2001年4月23日(14歳)
出身地:東京都
血液型:AB型
南端まいな(みなみばた・まいな)
生年月日:2000年2月21日(16歳)
出身地:東京都
血液型:O型
比嘉奈菜子(ひが・ななこ)
生年月日:2000年2月26日(16歳)
出身地:沖縄県
血液型:A型
百岡古宵(ももおか・こよい)
生年月日:2001年4月30日(14歳)
出身地:岩手県
血液型:A型
石野理子(いしの・りこ)
生年月日:2000年10月29日(15歳)
出身地:広島県
血液型:A型
アイドルネッサンス(あいどるねっさんす)
多くのアーティスト、俳優、お笑いタレントが所属するソニー・ミュージックアーティスツが、設立40年目にして初めて立ち上げたアイドルグループ。9107名が応募した2013年度「TEENS AUDITION HuAHuA」を中心に選ばれた13名の候補生から、約半年のオーディション期間を経て、2014年5月4日に結成。同年7月6日に1stシングル「17才/どか~ん」を発売。2015年3月24日発売の3rdシングル「YOU」からT-Palette Recordsに参加。古今の名曲を歌とダンスで表現する「名曲ルネッサンス」をテーマに活動中。
【CHECK IT】
ファーストアルバム「アワー・ソングス」が3月22日(火)に発売。ライブDVD「アイドルネッサンス 1stワンマンライブ エビスではじまるネッサンス!!」が発売中。ワンマンライブ「シブヤで2周年を感謝するネッサンス!!」を5月4日(水)にTSUTAYA O-EASTで開催。SHOWROOMにて「アイドルネッサンスの本性が飛び出るネッサンス」を配信中(隔週水曜日19:00~19:45)。石野理子主演の地域発信型映画「ファーストアルバム」が4月21日(木)~24日(日)の「第8回沖縄国際映画祭」に出品される。
詳しい情報は公式HPへ